
こんにちは。品質管理担当の宮崎です。
今回は、前回に引き続きWeb制作におけるQC(品質管理)についてのお話しです。
前回の記事で、良い仕事をするためには「科学的方法」を用いるというお話をしました。
「科学的方法」を用いた仕事は全て業務を通して得たデータに基づいて行なわれます。
データを取るには明確な目的が必要
品質管理(QC)では以下の目的でデータがとられます。
1.工程の管理
工程が標準通りになっているか
2.工程の解析
不具合やばらつきを減少させるための改善策を見出す
3.検査
製品の品質が適合か不適合かを判断する
4.品位の推定
製品の成分含有率を求める
よく作業チェックシートなどを業務だからという理由でつけているだけということがよくありますが、将来役に立つだろうとか、なんとなくつけているとか、これまでやってきたからと言う理由で取るべきではありません。
目的に照らし合わせてどんなデータが必要かを考え、工程や製品の状況が読み取れるようなデータである必要があります。
また、データを取る目的はその結果によって改善など何らかのアクションを起こすことです。なので、現場に都合の良い形でデータを取ったり、事実と違うデータ、取っているだけのデータではなんの意味もありませんよね。
Web制作の現場におけるデータ
Web制作の現場でデータと言うと、公開したあとのアクセス解析であったり、Webマーケティングでの効果測定を想像することが多いかと思います。
制作業務でのデータ活用はあまり積極的に行われていないイメージがありますが、上記の目的に照らし合わせると以下のような活用ができそうです。
■工程のチェック
作業の進捗をチェックシートなどでデータ化することにより、工程の中でボトルネックになってる部分を洗い出す。
■作業ミスや不具合発生の改善
よくあるミスや不具合に対して、作業が抜けていないか、手順通りやっているか、その業務にしっかり時間を割いているか等をデータ化してミスが起きやすいポイントや改善のヒントを探る。
■サイトの品質チェック
Web解析における品質管理「配信品質」「情報品質」※の計測と評価。
配信品質はGoogleの「Test My Site」や「Pagespeed Insights」、ブラウザの「開発者ツール」等、情報品質はHTMLの文法チェックツールやアクセシビリティチェックツールなどを活用して社内で定めた基準に照らし合わせて品質のチェックを行う。
■品質向上への取り組み
サイトの品質チェックで計測したデータや、ユーザビリティテストのデータを元に、問題となりやすい点を洗い出し、工程にフィードバックする。
幸いにもWebの業界にはデータを取るための便利なツールがたくさん用意されています。
それらをうまく活用して業務の改善や品質向上に努めていきたいですね。
次回は、品質管理における「データの種類」について見ていきたいと思います。
それではまた。
※「配信品質」
素早く表示されること。そしてエラーなく確実に表示されること。
「情報品質」
コンテンツの情報の価値が高いこと。そしてHTMLで構造化されたコンテンツが人にも、機械にも、わかりやすいこと。
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